「スポーツライター志望」大学生の選択① 最初からフリーで活動するのか、それとも就職すべきか!?【前編】

3月に大学を卒業するMATSUGEです。初めて投稿します! スポーツライターに憧れて、酒井政人さん主催の「未来のスポーツライター会議」や「スポカフェ」にお邪魔させていただきました。もともとはスポーツライターを目指していたはずなんですが、4月から某テレビ局で記者として働きます。今回、スポーツライターを目指した学生のリアルな就活事情を書かせていただきました。酒井さんの厳しい添削を受けたので、ぜひ読んでみてください(笑)。

1年前、就活を目前に控えた私は、人生の岐路に立っていた。フリーランスとしてスポーツライターになるべきか。新聞社・テレビ局で社員としての記者になるか。当時の私にはその二択しか見えていなかった。そうなると猪突猛進型の私は、スポーツライターの話を聞かないことにはやっていられないと、ちょうど東京マラソンの直後だったので、そのコラムを自分なりに書き上げ、雑誌や記事でしか知らなかった酒井さんに送り付けた。オリンピックイヤーのロードシーズンということもあり、多忙であろう酒井さんから返事が来なくても仕方ない、当たって砕けろの精神でメールを送ったのだ。

返事が来る確率は10%程度だと思っていたが、2日後、酒井さんから返信があり、アポイントをとることができた。会って話してみるとまず自分の考えの甘さを突きつけられた。高校までハンドボールをやってきていたが、インターハイに出たわけでもないし、ましてや日本代表に選ばれたことがあるわけでもない。スポーツライターといえばまず、自分の得意ジャンルが必要であるが、「ハンドボールです!」と言い切れるほど選手としての実績がなかったのだ。

ただし、幸いなことに、ハンドボールのスポーツライターとして確固たる地位を築いている人はいなかった。しかし、それは裏を返せば、それだけ需要がない分野ともいえる。結局、スポーツライターとして稼げるのは、野球やサッカーのようなメジャースポーツ、箱根駅伝やオリンピックのようなビッグコンテンツのある陸上、水泳だということを痛感した。

個人的にスポーツ紙の記者にはあまりなりたくないと思っていた。彼らが取り上げるのは、野球やサッカー大相撲などの人気種目が中心だからだ。ハンドボールやバスケなど、興行的にみるとマイナーなスポーツを取材したかった私は、スポーツ紙ではなくスポーツライターならそれができると考えていた。しかし、現実はそれほど甘くなかった。スポーツ紙と同じく、需要があるジャンルでないとスポーツライターとして活動していくことは難しいと思い知らされたのだ。

そこでうまく新聞社・テレビ局の就活へとシフトできれば良かったのだが、スポーツライターという職業へのあこがれが依然としてあり、私はどうしても諦めきれなかった。

サラリーマンとしての記者になった場合、会社ありきの記者になる。スポーツ部に配属されればいいが政治部や経済部などに配属されてしまっては、なかなかスポーツの取材はできない。運よくスポーツ部に入れたとしても前で述べたように、取材できるスポーツは多くの人の関心を引く、メジャースポーツが占めることになる。サラリーマン記者になれれば、安定して原稿を書き、収入を得ることはできるが、自分が好きなものの取材をできる可能性はかなり低い。

一方のスポーツライターはどうだろうか。自分の好きなジャンルを取材することはできるが、それがお金になるとは限らない。お金を得るためには、必ずしも自分の好きな分野の取材ができるわけではなく、スポーツライターを名乗る人でも、他のジャンルを取材することも少なくないことを知った。酒井さんに会ってなお、私は人生の岐路から抜け出せずにいた……。

【後編】に続く

●MATSUGE 1993年生まれ、静岡県出身。大学入学までに1年のタイムラグあり。高校まではハンドボールのキーパー、大学ではスポーツ新聞部でバスケ取材に打ち込む。好きなスポーツ選手は川口能活、宇賀地強。