現役・女子マネージャーが分析する「箱根駅伝」人気の裏側

リオ五輪では、順天堂大・塩尻和也(2年)がインビテーションで追加され、男子3000m障害に出場した。他国に出場辞退者が出たための、いわゆる「繰り上がり」での参加だが、「現役・箱根駅伝ランナー」のオリンピック出場は、2008年の北京五輪5000m・10000mに出場した早稲田大・竹澤健介(現・住友電工)以来の快挙だった。

一方、学生短距離勢のリオ出場はマイルメンバーを含む5人。ちなみに学生長距離界からは1人も代表選手を送れなかったロンドン五輪では、9人の学生スプリンターが出場を果たしている。こうした現状もあり、短距離サイドから、こんな意見がよく挙がっている。

「たかが関東のローカル試合の箱根駅伝がなんであんなに注目されるの?」

短距離サイドの意見も理解できるが、短距離の大会よりも箱根駅伝の人気が高いのは、テレビ視聴率を見れば明らかだ。東洋大・桐生秀祥(東洋大)らに100m9秒台が期待された6月の日本選手権は、男子100m決勝が行われた2日目の視聴率が過去最高の14.1%を記録。それに対し青山学院大が連覇を果たした今年の箱根駅伝は28.0%の視聴率を記録している。オリンピック出場をかけた大会よりも関東ローカルの大学対抗戦が日本人にとっては注目の的となっているのだ。

では、なぜ「箱根駅伝」はこれほどまでに人を熱狂させるのか。

私は「箱根駅伝」が「スポーツ」ではなく、「文化」として日本という国に根付いているからだと思っている。駅伝は日本発祥の競技で、「歌舞伎」や「寿司」と同じ。海外では「KABUKI」や「SUSHI」のように、「EKIDEN」と訳されるほどだ。

その一方、駅伝は「ガラパゴス化」しつつある。毎年11月に開催されていた「国際千葉駅伝」は廃止となり、駅伝の国際大会は消滅。駅伝は日本国内だけの「人気種目」になっているのだ。

駅伝が「文化」としてではなく、「スポーツ」としてグローバルな評価を得るためには、出場選手が国際大会で活躍するしかないだろう。奇しくも2020年東京五輪で予定されているマラソンコースは、日比谷公園から増上寺までが箱根駅伝と同じルートを辿る。4年後は、その道を「HAKONE」出身ランナーが「JAPAN」のユニフォームで、駆け抜けることを期待したい。

SHO 1995年生まれ、東京都出身。某大学陸上部に女子マネージャーとして所属。大学ではスポーツ社会学・ジャーリズムを専攻。高校までは100mオンリーのスプリンター。