東海大の箱根駅伝には〝世界〟を目指す「ストーリー」があった

2018年の正月に開催される第94回箱根駅伝。今回は4連覇を狙う青山学院大、出雲駅伝をスピードでねじふせた東海大、全日本大学駅伝で20年ぶりの優勝を飾った神奈川大の〝3強対決〟が予想されている。

3校とも目指すは箱根駅伝の「総合優勝」に変わりはないが、そのなかで東海大は特に〝偏った指導〟をしている。それは今年6月の戦い方にもあらわれていたと思う。全日本大学駅伝予選会は主力選手の起用を見合わせながらも2位で通過。日本選手権は大学では最多となる6名もの長距離選手を出場させたからだ。そして1500mでは全日本予選を〝免除〟された館澤亨次(2年)が大混戦のレースを制して、「日本一」に輝いている。

館澤は前回の箱根駅伝で5区を任された選手。1500mと20km以上の距離で戦う箱根駅伝は、求められる能力が違うため、両レースで結果を残すのは簡単なことではない。しかし、東海大には館澤のように箱根駅伝を活用しながら、トラック種目で「東京五輪」という大きな〝獲物〟を狙っている選手が何人もいる。

今年の2~3月には關颯人、鬼塚翔太、阪口竜平の2年生トリオが、米国・オレゴン大へ〝短期留学〟している。その目的は箱根駅伝のためではない。トラックで世界を目指すために、ハイレベルな経験を積むためだ。チームの指揮を執る両角速駅伝監督は「箱根駅伝」を最優先に考えて、選手たちを指導しているわけではないという。

「チームとしてはやっぱり箱根駅伝です。でも、ごく数名はその域を超えています。その者たちは、『箱根駅伝は通過点』という認識でやらないといけません。チーム目標が箱根駅伝でも、全員が自分の持ち味や個性を封印して箱根に向けてじっくり取り組むのではなく、本人たちの特徴を伸ばすことを考えながらやっています。箱根で勝つことよりも、重視しているのが来年の日本選手権で戦うための準備です」

両角監督の言葉通りに、東海大の選手たちはトラックで好タイムを連発した。

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