高校野球に眠る巨大なビジネスチャンスを生かせ!

5月20日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、日本高校野球連盟と朝日新聞社は8月10日に開幕予定だった第102回全国高校野球選手権大会の「中止」を決定した。

すでに多くの報道があるが、筆者も知り合いの高校野球部A監督に話を聞いた。そのリアルな声をお伝えするとともに、高校スポーツの在り方について考えてみたい。


A監督によると5月15日のスポーツ報知で「夏の甲子園が中止する」という記事が出たが、すぐに地元の高野連からメールで「今回の報道は事実ではないので、動揺しないように」という連絡があったという。

「単なる誤報なのか、それとも事実の話が漏れて高野連が火消しに回ったのか。どちらなのかなと不安な気持ちで数日間を過ごしました。その後、20日にメールで大会中止の連絡があったんです。それを受けて、生徒たちに一斉メールで知らせました」

休校になっているため、A監督は部員たちの顔を直に見ることなく、悲痛の連絡を送ったことになる。そのうち最後の夏となる3年生から4人ほどメールの返信があった。それは嘆き悲しむ内容ではなかった。「前向きに頑張ります」「これからもよろしくお願いします」。さらに監督を気遣う言葉もあったという。

球児たちは大人が下した決断を、仲間と聞くことすら許されなかった。その喪失感、絶望感を思うと、かける言葉は見当たらない。悔し涙を流した選手もいたことだろう。A監督も苦しい胸の内を話した。

「8月だったらやれそうな気はするんですけどね。ただ万が一、代表チームに感染者が出た場合はチームの大半が濃厚接触者になるわけなので、出場辞退になります。そういう可能性が考慮されたのかもしれません」


高校野球は地方大会も中止となったが、代替大会の実施は都道府県の高野連に委ねられている。A監督の県では開催が決まっておらず、モヤモヤした気持ちを抱えたまま、選手たちの前に立たなければいけない。

「どうやったら夏の大会を開催できるのか。広く意見をすいあげて、検討してほしかったというのが本音です。ただ決まったことは、どうしようもありません。それよりも子どもたちのフォローをどうするのか。まずは学年ごとのオンラインミーティングをしようと思っています」

A監督が最も気にしていたのが3年生の進路だ。例年、大学野球部の主催するセレクションは夏に行われることが多い。しかし、その段階ではスポーツ推薦枠がほぼ内定しており、大学からすれば〝掘り出し物〟を探す場所になっているという。

「実績のある選手は2年生の秋の段階で大学から声がかかります。そこでかからなかったら、こちらから売り込んでいかないといけません。大学への進学を考えると、春季大会がなくなったことが痛いですね。あと練習試合もないので、とにかく見てもらう機会がないんです。そうなると名門校のレギュラーを、実際は見てないけど、取ってしまうという流れが強くなると思います」

A監督の学校は近年力をつけているが、まだ甲子園の出場はない。そのようなチームだと今年は強豪大学にスポーツ推薦で進学するのは難しい状況になるかもしれない。3年生にとっては厳しい戦いが続くことになる。

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