ナイキの厚底シューズが女子や競歩に広まっていない理由と新たなる可能性

記録を次々と塗り替えて、マラソンに革命をもたらしているナイキの厚底シューズ(ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%など)。今年正月の箱根駅伝では着用率が8割を超えるなど、国内レースでは〝独走中〟の印象が強い。

世界的な〝厚底フィーバー〟もあり、1月末にワールドアスレチックス(以下、世界陸連)がシューズに関するルール改定を表明した。数日後、ナイキは「靴底の厚さ40㎜以内」「プレートは1枚のみ」などの新規定をクリアした新モデルを発表。それが『エア ズーム アルファフライ ネクスト%』だ。

昨年10月、ウィーンで行われた非公認レースで男子マラソン世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)が人類初の2時間切りを果たした際に着用していた超厚底シューズの市販モデルになる。

ナイキの厚底シューズが世界のロードレ―スを席巻しているのは間違いないが、陸上界全体に広がっているかというと、そうではない。たとえば、国内では男子と女子で大きな開きがある。

昨年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(以下MGC)では、男子の出場30人のうち16人が、ピンク色の『ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%』を着用。東京五輪選考に絡むトップ3に入った中村匠吾(富士通)、服部勇馬(トヨタ自動車)、大迫傑(ナイキ)を含む、上位10人中8人が履いていた。

女子はというと、出場10人中、同シューズを使用していたのは2位に入った鈴木亜由子(日本郵政グループ)のみ。優勝した前田穂南(天満屋)と3位の小原怜(天満屋)はアシックスを着用していた。

MGCは4位に終わったが、1月の大阪国際女子マラソンで2時間21分47秒(日本歴代6位)をマークして、日本陸連の設定記録を突破した松田瑞生(ダイハツ)は、三村仁司氏が手掛けたニューバランスの別注シューズを履いている。

男女の差はどこから来ているのか。女子は男子と比べて、ナイキと契約しているランナーが少ないことがまず挙げられるだろう。

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