速すぎてヤバい「ナイキ厚底」どこが違反なのか

1月15日、複数の英国メディアが、ワールドアスレチックス(旧国際陸連)が新規則でナイキの「厚底シューズ」を禁止する可能性が高いと報じ、世界的に大きな話題となっている。現在、専門家による調査が行われており、1月末にも結論を公表する予定だという。

背景にあるのは、ナイキの厚底シューズの選手による好記録の連発だ。禁止の是非に関する筆者の考えは後述するが、その前提として厚底旋風が吹き荒れた、正月の「箱根駅伝」を振り返りたい。

今年の箱根駅伝は、青山学院大が大会記録を7分近くも短縮する10時間45分23秒で2年ぶり5回目の総合優勝に輝いた。全10区間にそれぞれどの選手を配置するか、原晋監督の采配は絶妙で、箱根駅伝を20年近く取材してきた筆者の予想をはるかに上回る快走を続出した。

その青学大の活躍以上に注目を浴びたのが、ド派手なナイキの厚底シューズ(ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%)だった。青学大はアディダスとユニフォーム契約を結ぶチーム。前回大会ではナイキを履いていた選手はひとりだけで、他の9人はアディダスだった。今回は、10人全員がナイキの厚底シューズを着用した。そのことが箱根駅伝の歴史を揺るがすような好タイムにつながったと思われるが、原監督はシューズについて「ノーコメントにさせてください」と多くを語ることはなかった。

今回は総合成績9位以上の大学が、いずれも「11時間の壁」を突破した。好記録の背景としては、天候に恵まれたことや、選手の実力が上がったことがあげられる。しかし、それだけではないだろう。

筆者は学生時代(1995~1998年)に箱根駅伝を走った経験があるが、当時のシューズは国内メーカーのミズノとアシックスが〝2強〟で、その他のメーカーは少数派だった。

そうした状況が近年になって激変している。

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