男子100m9秒台トリオの敗因と東京五輪の可能性

ドーハ世界陸上の男子100m準決勝。日本が誇る〝9秒台トリオ〟は3人とも落選した。1組のサニブラウン・アブデル・ハキーム(フロリダ大)は10秒15(-0.3)で5着、2組の小池祐貴(住友電工)は10秒28(-0.1)で7着、3組の桐生祥秀(日本生命)は10秒16(+0.8)で6着だった。

来夏に東京五輪を控えて日本スプリント界は盛り上がっているが、「世界」との差は縮まっているのか。

2年前のロンドン世界陸上も男子100mは出場者3名が予選を突破した。準決勝はというと、1組のケンブリッジ飛鳥が10秒25(-0.5)で6着、2組のサニブラウンが10秒28(-0.2)で7着、3組の多田修平が10秒26(+0.4)で5着だった。

順位とタイムを考えると、2年前より少しは戦えた印象だ。しかも、今回は〝不運〟な部分があった。現地で取材をしていて、世界のファイナルに近づいている足音が聞こえたような気がしたのは私だけではないだろう。

まずは敗因から分析したい。1組で5着に終わったサニブラウンは明らかにスタートで出遅れた。

「スタートの音が全然聞こえなくて。普通に鳴ったのかなと一瞬考えてしまうくらい聞こえなかった。昨日(の予選)はレーンの真ん中にいたのもあるかもしれませんが、今日は違っていましたね。そこで身体が反応していれば問題なかったんですけど、スタートの出遅れが最終的な差になったのかなと思います」

サニブラウンによると、「セット」のアナウンスは聞こえたが、その後は、ザーッというマイクの雑音のような音が聞こえて、ピストル音は小さかったという。取材をしていて、たまに「スタートの音がよく聞こえなかった」と漏らす選手がいる。今回は実際にスタート機器の不具合があったのかはわからないが、サニブラウンがいかに出遅れたかは、スタート時のリアクションタイムでも明らかになっている。

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