関東インカレ、各校の活躍度と選手たちのグッときた言葉

箱根駅伝を目指す者たちにとって、5月の関東インカレは「初夏の総力戦」だ。今年は5月23~26日に相模原ギオンスタジアムで行われた。男子は1部、2部ともに留学生の出場(1部の1万mは5人、2部の1万と5000mは6人)が過去最多。風が強く、暑さもあり、好タイムは出なかったが、今年も熱戦が繰り広げられた。


まずは各校の〝活躍度〟を客観的にチェックしてみよう。関東インカレは8位以内に入ると、点数を獲得することができる。その合計得点をポイント化したのが下記になる。

関東インカレ【最大10pt(1部)、8pt(2部)】
1部/東海大10(33点)、法大9(27点)、日大8(20点)、東洋大7(19点)、国士大6(18点)、駿河台大5(16点)、早大4(13点)、中大3(9点)、順大2(8点)、城西大1(7点)
2部/桜美林大8(29点)、 駒大7(22点)、 青学大6(20点)、 帝京大4.5(16点)、國學院大4.5(16点)、 武蔵野学大3(13点)、上武大2(12点)、東京国際大0.5(10点)、創価大0.5(10点)
※対象は1500m、5000m、1万m、ハーフ、3000m障害の得点数で評価。

1部は今年も東海大が最高得点をマークした。目標の「45点」(長距離ブロックのみ)には届かなかったものの、2種目を制して、5人が入賞。1500mでは飯澤千翔(1年)と館澤亨次(4年)が0.01秒差のワン・ツーを飾り、3000m障害では阪口竜平(4年)が3連覇を狙った青木涼真(法大4)をラスト勝負で下している。チームとして存在感を発揮したのはハーフマラソンだ。箱根5区で活躍した西田壮志(3年)が3位、学生駅伝未経験の名取燎太(3年)が5位に食い込んでいる。

法大は佐藤敏也(4年)の活躍が素晴らしかった。1万m(3位)と5000m(4位)で日本人トップ。5000mは「学生日本人トップ」の呼び声が高い相澤晃(東洋大4)、1万m27分台の阿部弘輝(明大4)らに先着する激走だった。チームとしては3000m障害でトリプル入賞も果たしている。

東洋大は西山和弥(3年)が不発だったものの、ハーフマラソンで学生駅伝未経験組が奮起。宮下隼人(2年)が日本人トップの2位、蝦夷森章太(2年)が4位、定方駿(4年)が6位に入り、トリプル入賞を達成した。なお国士大と駿河台大は留学生のみの得点で、日大はチャールズ・ドゥング(1年)がひとりで15点を稼いでいる。

2部は桜美林大が3種目を制覇するなど、留学生が上位を席巻した。そのなかで快走したのが國學院大だ。箱根駅伝5区で区間賞を獲得した浦野雄平(4年)が1万m(4位)と5000m(6位)で日本人トップ。土方英和(4年)がハーフマラソンを制している。他に駒大と青学大は5人が、帝京大は4人が入賞するなど、箱根駅伝上位校が選手層の厚さを見せつけたかたちになった。

次に取材をしたなかで選手たちのグッときたコメントを紹介したい。まずは1部の1万mと5000mで日本人トップを飾った佐藤敏也(法大4)だ。

「同級生に青木がいますけど、エースはひとりだと思うので、自分がエースとして頑張っていきたい。理想のエース像は塩尻(和也/現・富士通)さんのようにどんな大会でも安定して結果を残す選手。1回結果を出しただけでは、大エースとは呼べないので、どんな大会でもしっかりと結果を残していきたい。箱根駅伝は2区になると思うので、区間賞争い、1時間7分前後のタイムで走りたいと思っています」


2部の1万mと5000mで日本人トップに輝いた浦野雄平(國學院大4)もこんな言葉を口にしている。

「いつもの自分なら留学生についていったと思うんですけど、今回は監督から珍しく指示が出ていたので、日本人トップをとることに徹するかたちでレースを進めました。今季は三大駅伝すべてに出場できるので、すべての駅伝で区間賞を取って、チーム目標に貢献したい

國學院大は主将・土方英和(4年)も活躍。最後の200mで山下一貴(駒大4)を突き放して、ハーフマラソンの優勝を勝ち取った。

「前期は関東インカレのハーフにかけていたので、優勝しか考えていませんでした。優勝以外は負けだと。浦野とは練習で力の差を感じていますが、他の選手は浦野より強くないと思って、走りました。箱根駅伝は往路優勝、総合3位という目標を立てているので、チーム一丸となって戦っていきたい」

1部のハーフマラソンで日本人トップを奪った宮下隼人(東洋大2)も来年の箱根駅伝を沸かす選手になるかもしれない。昨年は11月下旬に右脛骨を疲労骨折したが、5区での勝負を熱望している。

「持ちタイムは良くありませんでしたが、チームのために得点を取ろうと思っていました。自分は上りが得意なので、東海大の西田(壮志)さんを意識していた部分がありました。箱根駅伝は自分が陸上を始めてきたときからの夢。5区を任させていただけるなら、区間賞争いをして、東洋大3連覇となるゴールテープを切りたいです

学生ランナーたちの次なる戦いは6月23日の全日本大学駅伝関東学戦選考会。今度はどんなドラマが待っているのだろうか。

※本記事は『ヴィーナスポーツ』に転載しています。