ロンドンマラソン、キプチョゲとファラーがNIKEの新厚底シューズで激突!

本日、4月28日に行われるビッグイベントが近づくにつれて、ロンドンの街が熱気を帯びてきた。テレビでは地元のスーパースターであるモハメド・ファラーに関するニュースが何度も流され、各メーカーのショップでは様々なイベントが行われている。そう、まもなくロンドンマラソンがスタートするのだ。

世界中から熱視線を浴びる同大会には、オリンピックや世界選手権に匹敵するほどハイレベルの選手たちが出場する。今回、最大の注目は男子マラソン世界記録保持者であるエリウド・キプチョゲ(ケニア)と同欧州記録保持者のモハメド・ファラー(英国)による〝最速対決〟だ。

まずはふたりの特別すぎるキャリアは紹介したい。キプチョゲは18歳でパリ世界選手権の5000mで金メダルを獲得するなどトラックで活躍。マラソンに転向すると、過去に類を見ないほどの快進撃を続けている。マラソン戦績は11戦10勝で、昨年9月のベルリンでは2時間1分39秒の世界記録を樹立した。負けたのはキャリア2戦目のベルリン(13年/2時間4分05秒で2位)のみ。ワーストタイムは圧勝したリオ五輪の2時間8分44秒という信じられないほどの強さを誇る。

一方のファラーもキャリアでは負けていない。自慢のキック力を武器に、オリンピックで2大会連続(ロンドン五輪、リオ五輪)の長距離2冠を飾るなど、世界大会のトラック種目(5000m、1万m)で10個の金メダルを奪ってきた。初マラソンとなった2014年のロンドンは2時間8分21秒の8位に終わったが、昨年からマラソンに本格参戦。大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)が2時間5分50秒の日本記録を樹立した10月のシカゴを2時間5分11秒の欧州記録で制している。

ふたりとも偉大なアスリートに変わりはないが、その印象はかなり異なる。哲学者や僧侶のようなオーラを持つキプチョゲに対して、ファラーはいつも明るく、ユーモアもある。ただ共通しているのは、マラソン前はともにストイックな期間を過ごしていることだ。

ケニアの英雄で金も名誉も手に入れたはずのキプチョゲだが、休日に自宅で妻や子供たちと過ごす以外はトレーニングキャンプで多くの選手たちと共同生活を送っている。マラソンに向けては4か月かけて準備をするという。朝は5時45分に起床して、30分ほどの準備でトレーニングに向かう。朝にメインの練習を行い、夕方にも軽いメニューをこなす。そして、21時に就寝する。食事は質素で、アルコールはとらない。キャンプでは、ボスともいえる存在なのにトイレ掃除も自らこなす。そんな日常を繰り返している。

以前、彼を取材したとき、なぜこれだけの結果を残せるのか? という質問をすると、「自分で律して、きっちりとした生活を送る。そして良いトレーニングができているからだと思います」という答えが返ってきた。インテリジェンスを感じさせる物静かな男は、レースになると、勇敢で力強さあふれるランナーに変身する。

大会4日前の記者会見に出席したキプチョゲとファラーは、テレビ局の要望で、テムズ川のほとりに立ち、ともにファイティングポーズでカメラに収まった。翌日、ファラーはロンドンのナイキタウンでイベントに参加。ファンの前でレースに向けて意気込みを語っている。

「マラソンに転向して驚いたことはいろいろありますよ。トラックとは大きく異なり、マラソンは年に2回ほどしか走りません。だからといって、休みが多いわけではないんです。レース前は家族と離れて、みっちりトレーニングをしています。ときには家族がいなくて寂しいなと思うこともありますが、ベストを達成するにはやらなければいけない……

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