大迫が東京マラソンで途中棄権 半年後のMGCはどうなる?

冷たい雨に降られた東京マラソンは、日本勢にとって〝冷酷なレース〟になった。すでにMGC(マラソングラウンドチャンピオンシップ)の出場資格を持つ大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)、中村匠吾(富士通)、佐藤悠基(日清食品グループ)の3名はトップ集団でレースを進めるも、設定(1km2分57~58秒ペース)より少し速かったこともあり、20km過ぎに苦しくなる。

トップ集団は中間点を1時間2分02で通過(第2集団は1時間3分27秒)。大迫と中村が集団から脱落すると、佐藤も遅れはじめる。昨年10月のシカゴで2時間5分50秒の日本記録をマークした大迫は、28.8kmで立ち止まり、29kmでリタイアした。

佐藤だけは日本記録を狙えるタイム(1時間29分22秒)で30kmを通過したが、終盤に大きくペースダウンする。高速レースに体力を削られ、濡れたウエアとスタート時より下がった気温に熱を奪われた。脚が動かなくなり、37km手前で日本人トップから陥落する。

レースはビルハヌ・レゲセ(エチオピア)が終盤に独走。2時間4分48秒で圧勝した。日本勢は初マラソンの堀尾謙介(中大)が2時間10分21秒で最上位の5位。続く、6位(2時間10分30秒)の今井正人(トヨタ自動車九州)、7位(2時間10分35秒)の藤川拓也(中国電力)、8位(2時間11分05秒)の神野大地(セルソース)までがMGCの出場権を獲得した。トップ集団でレースを進めた中村は15位(2時間14分52秒)、佐藤は16位(2時間15分07秒)に終わった。

最後までトップ集団で粘った佐藤は、「離れたときは、まだ余裕がある感じでしたが、思った以上に体力を奪われて、最後の方は寒さもあり、頭もまわらないような状況でした」とレースを振り返る。途中棄権となった大迫は体調不良のため、記者の前に姿を現すことなく、「スタート地点から寒くなって、身体が動かなくなり棄権せざるを得ない状況でした」というコメントを発表。翌日のイベント参加も取りやめた。

バイクでレースを追いかけながらペースメーカーに指示を与えていた早野忠昭レースディレクターは、「スタート時よりも寒くなり、手先、足先から冷えてくるのを感じました。もう少し気候が良ければいいタイムが出た。悔しい思いです」と話した。前回は14人がサブ10を達成したが、今回はわずか4人。上位勢のタイムが気象条件の過酷さを物語っている。

日本陸連の瀬古利彦・強化戦略プロジェクトリーダーは、「大迫、中村、佐藤の3人は、思うような結果は得られませんでしたが、今回のチャレンジは今後に生きてくると思う」と〝積極レース〟を評価した。しかし、この1年で日本記録を二度も塗り替えるなど、勢いに乗っていた日本勢にとっては寂しい大会になった。

それでもMGC出場資格獲得者は4人増えて28人に。女子(9名)と比べて、順調にファイナリストを伸ばしている。では、9月15日に行われるMGCはどうなるのか。

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