箱根駅伝2019のトップ3全選手+αを「採点」する

駅伝はタイムにより、区間順位が決まる。しかし1区以外は基本、時差スタートとなり、レース状況が変わってくる。各選手が同じ条件で走るわけではないため、区間タイムや区間順位だけでは読み取れない個々の評価があってもいい。そこで駅伝ファンのために、各選手の〝走り〟を「採点」していくことにした。今回は東海大が初優勝を飾った箱根駅伝2019だ。

※トップ3に入った東海大、青学大、東洋大の選手と、その他のチームで活躍した選手が対象。
※ジャッジは10.0点満点で【7.0】を平均値として評価しています(サッカーと異なり、基本的には5.0~9.0の間で採点)。
※記録詳細は関東学連サイトの「第95回箱根駅伝」公式記録 をご参照ください。

1位 東海大学 10時間52分09秒【合計80.5点】
(往路②5時間27分45秒、復路②5時間24分24秒)
1区鬼塚翔太(3年)⑥1:02:43【8.0】
2区湯澤舜(4年)⑧1:08:05【8.0】
3区西川雄一朗(3年)⑦1:03:02【7.5】
4区館澤亨次(3年)②1:02:37【8.0】
5区西田壮志(2年)②1:11:18★【8.0】
6区中島怜利(3年)②58:06【8.0】
7区阪口竜平(3年)②1:02:41【8.0】
8区小松陽平(3年)①1:03:49★【8.5】
9区湊谷春紀(4年)②1:09:36【8.0】
10区郡司陽大(3年)③1:10:12【8.0】

2位 青山学院大学 10時間55分50秒【合計79.0点】
(往路⑥5時間32分01秒、復路①5時間23分49秒)
1区橋詰大慧(4年)③1:02:41【8.0】
2区梶谷瑠哉(4年)⑩1:08:30【8.0】
3区森田歩希(4年)①1:01:26★【9.0】
4区岩見秀哉(2年)⑮1:04:32【6.5】
5区竹石尚人(3年)⑬1:14:52【7.0】
6区小野田勇次(4年)①57:57★【8.5】
7区林奎介(4年) ①1:02:18【8.0】
8区飯田貴之(1年)②1:04:34【8.0】
9区𠮷田圭太(2年)①1:08:50【8.0】
10区鈴木塁人(3年)②1:10:10【8.0】

3位 東洋大学 10時間58分03秒【合計77.5点】
(往路①5時間26分31秒、復路⑤5時間31分32秒)
1区西山和弥(2年)①1:02:35【8.0】
2区山本修二(4年)④1:07:37【8.5】
3区𠮷川洋次(2年)④1:02:33【8.0】
4区相澤晃(3年) ①1:00:54★【9.0】
5区田中龍誠(2年)⑧1:12:52【7.5】
6区今西駿介(3年)⑤58:12【8.0】
7区小笹椋(4年) ③1:03:45【7.5】
8区鈴木宗孝(1年)③1:04:44【8.0】
9区中村拳梧(4年)⑲1:12:20【6.0】
10区大澤駿(2年) ⑩1:12:31【7.0】

他大学の8.0以上得点者
1区中山顕(中大4)②1:02:36【8.0】
2区ワンブィ(日大4)①1:06:18【9.0】
2区塩尻和也(順大4)②1:06:45【9.0】
2区ヴィンセント(国士大1)③1:07:12【8.5】
2区堀尾謙介(中大4)⑤1:07:44【8.0】
3区阿部弘輝(明大3)②1:02:07【8.0】
3区遠藤大地(帝京大1)③1:02:32【8.0】
5区浦野雄平(國學院大3)①1:10:54★【8.5】
5区青木涼真(法大3)③1:11:29★【8.0】
10区星岳(帝京大2)①1:09:57【8.0】

★は区間新記録

第95回箱根駅伝は気象条件に恵まれたこともあり、5区間で区間記録が誕生するなど全体的に高水準となった。最優秀選手に贈られる金栗四三杯は8区で22年ぶりの区間記録を樹立した小松陽平(東海大3)が受賞した。総合優勝を飾った東海大のなかでも【8.5】は最高得点。東洋大を逆転して勝負を決めたことからも納得の人選だったと思う。それにタイムも素晴らしかった。山梨学大・古田哲弘(当時1年)が1時間4分05秒で走破した第73回大会(1997年)の復路は強い追い風。その〝追い風参考記録〟ともいえるタイムを16秒塗り替えて、区間2位以下に45秒以上の大差をつけたのだから。

小松よりもパフォーマンスとして上なのが、2区を1時間6分台で駆け抜けたパトリック・ワンブィ(日大4)と塩尻和也(順大4)。それと3区と4区で区間記録を打ち立てた森田歩希(青学大4)と相澤晃(東洋大3)だ。

ワンブィは区間記録に14秒差と迫る1時間6分18秒で13人抜き。塩尻は順大の先輩に当たる三代直樹(現・富士通コーチ)が保持していた日本人最高記録を1秒更新した。森田は同じく故障の影響で3区にまわった五輪ランナー、早大・竹澤健介の記録を14秒上回った。相澤は区間記録を1分27秒も短縮して、駒大・藤田敦史(現・駒大コーチ)が第75回大会(1999年)に旧コースで樹立した区間記録(1時間00分56秒)を越えたことになる。

個人的には筆者と同年代だった選手(三代と藤田は同学年、古田は1学年下)の記録が塗り替えられて、時代を感じるものになった。

5区と6区も区間新記録だったが、5区は旧コースの順大・今井正人(1時間9分12秒)と比べて1分40秒以上の開きがあり、6区は他の選手とタイム差がさほどつかなかったため、【9.0】には到達していないと判断した。

今年度から「採点」を始めたこともあり、まだまだジャッジは安定していないかもしれないが、今後も続けることで、精度が高まってくると思っている。皆さまに、駅伝をより深く理解していただき、選手たちの頑張りを新たな数値で感じていただければ幸いだ。

『ヴィーナスポーツ』に転載しています。