東京マラソン2018 設楽悠太が16年ぶりの日本記録を樹立できた8つの要因

2位の設楽悠太(Honda)が2時間6分11秒の日本記録でフィニッシュすると、プレスルームでは拍手が沸き起こった。5位(日本人2位)の井上大仁(MHPS)も2時間6分54秒で走破。同一大会で複数の日本人選手が2時間6分台をマークしたのは初の快挙だった。合計9名もの日本人ランナーがサブ10を達成するなど、東京マラソン2018は日本陸上界にとって〝歴史的なレース〟になった。

従来の日本記録は2002年10月のシカゴマラソンで高岡寿成(現・カネボウ監督)がマークした2時間6分16秒。今回の東京マラソンで約16年ぶりに日本記録が更新されたことになる。前日本記録保持者となった高岡は、「タイムには気候、ペース、ライバル、調子など様々な要素が絡んできます。それらが一致したときに、素晴らしい記録がでる。今回、日本記録が誕生した一番の要因は、先頭グループでレースを進めることができたことだと思います」と分析した。

今回のレースを細かく見ていくと、設楽が日本記録まで到達できた様々な理由が浮かび上がってくる。まずは天候に恵まれた。10時の気温は6.0度。日差しがなく、風もほとんどなかった。市民ランナーにとっては少し肌寒かったが、トップランナーにとっては絶好のコンディションだった。

前回覇者で世界記録(2時間2分57秒)の奪回を目指していたウィルソン・キプサング(ケニア)の体調が良くなかったことも設楽にとってはプラスに作用した。今回はファーストのペースメーカーがキロ2分54~55秒(2時間2分22秒~3分04秒ペース)、セカンドがキロ2分58秒(2時間5分11秒ペース)、サードがキロ3分00秒(2時間6分35秒ペース)に設定されていた。しかし、キプサングが精彩を欠いたため、ファーストのペースメーカーは予定通りに進まなかった。逆にセカンドのペースメーカーは1万mの日本記録保持者・村山紘太(旭化成)が務めたこともあり、ペースが安定していた。

日本記録の更新を狙っていた井上はファーストについたが、設楽はセカンドの村山につく。この〝選択〟が吉とでた。

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